旅館経営の知恵
-リョケン研究員が
お届けする経営のヒント-
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8.スマートチェックイン・スマートチェックアウト
これから注目すべき旅館業界のキーワード12
スマートチェックイン・スマートチェックアウト
フロントを経由しない(経由・接触無くても)チェックイン、チェックアウトが可能なシステムを大局において、自館の取るべき運営・受け入れシステムを考え、構築していく必要があります。
スマートチェックインは民泊施設の受け入れシステムとして普及し、近年ではビジネスホテルに採用されるケースが増えてきました、共に、宿泊以外の商品要素が少ないため、導入しやすく、この部分の業務負荷が減ることによるメリットが大きいからです。
最近はコンビニなどの小売業や飲食業でも無人化の流れが加速してきており、多くの業種、業態で同様のシステムへの移行が進むと思われます。
旅館業はどうか? 接客を大きな商品要素としている旅館で「採り入れるべきか?否か?」難しい課題です。私見ですが、旅館の場合は、完全なスマートチェックインは採用すべきではないと思います。個人客化に伴い、お客様との接点は極端に減っています。チェックイン、食事提供、チェックアウトの場面が必然的な接点であり、その他のシーンでは接触なしでも可能な状況になっています。これ以上、お客様との接点を無くすのか? ということです。
しかしながら、時代の流れ、進化を無視して、旧態依然としたシステムで良いわけでもありません。どう対処するか?
スマートチェックインの主役はモバイル情報端末です。現在の主流はお客様が日常使用しているスマホやタブレット端末ですが、今後はルームキーが情報の入ったカードやチップなどへ転換していくことが予測されます。
情報端末などによる予約、確認連絡、精算・決済の流れは一般的になってきています。クレジットカードやデビッドカードなども端末内で処理できるようになると思われます。そのような便利な機能を活用しながら、チェックイン・チェックアウトの接点をより簡略化、短時間化することにより、本来目指すべきお客様との心の接点を増やしていく方向を目指すのが、旅館の本来の姿だと思います。
これからの時代は、宿から提供する情報や機能がお客様の持つ情報端末へ送信され、その情報をもとにお客様が館内で行動する。宿側は端末の位置情報などでお客様の行動や志向を察知し、対応方法を判断するようなイメージでしょうか? チェックイン、チェックアウトを除く館内での対応に関しては、宿が用意した情報端末を利用していただくことも可能です。自館のサービス、接客についての方針をしっかりと見据えた上で、新しい時代のシステムを構築していく必要があります。
※電子キー、自動チェックイン、自動精算機・釣銭機などのシステム機器については別途テーマとして取り上げる機会を設けます。
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