株式会社リョケン

旅館経営の知恵

-リョケン研究員が
お届けする経営のヒント-

3.シングルユース

これから注目すべき旅館業界のキーワード12

Keyword12 A アフターコロナに向けた旅館の商品整備、再構築ヒントとなるキーワードの3つめは、「シングルユース」を取りあげてみます。

シングルユース

ビジネスホテルの話ではありません。旅館で真剣に考える課題になってくるはずです。

 

「今回の旅行は良かったわよね。あんなに楽しく話ができたのは何年ぶりかしら! その上、寝る時はひとりだったから、気兼ねなくゆっくりと過ごせたしね。」

 

一昨年、新幹線に乗っていた時に、近くの席で賑やかに談笑していた女性4人グループの会話です。温泉地の旅館に泊まり、食事と二次会は一緒にしたようなのですが、寝る部屋は1人1部屋ずつだったようです。「やっぱり旅館、温泉だわよね」という決定打も出て、旅行の評価、幹事役への労いの言葉で締められた会話でした。

 

個人客化が進み、1室2人が常態化しつつあります。団体や募集旅行でも条件として指定されるケースも増えています。部屋の広さより、2名利用の場合、使いやすい広さのタイプが好まれる傾向も出てきています。

 

また、会社関係、組織団体のお客様の場合、役員や幹部は1名1室の対応が求められる時代です。従来のように、シングルといえば洋室、と決めつけていては、時代のニーズに乗り遅れます。

 

「1人利用を想定した部屋づくり」≒「2名1室の部屋づくり」をオーバーラップして考えることが必要になってきているのではないでしょうか? 旅館だからこそ、和の情緒、寛ぎを体現できる部屋を準備する。これは利用人数の多少に関わらず、重要な課題です。「旅行の個人化の象徴はひとり旅の増加」にあります。ひとり旅も昔のような「ヒッチハイカー」「バックパッカー」などの低コスト旅をイメージしてはいけません。豊かなひとり旅ニーズが急増していることに注目してください。

 

「ひとり旅プラン」の適用客室が洋室シングル・ツインだけというような対応では、良い評価は得られません。1人利用の客室仕様の検討、販売価格の設定を急いでください。

 

 

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