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読んで見直す クレーム対応【対応実務編】
(2)クレーム対応の手順2『迅速対処』

接客サービスの品質向上

今回は【対応実務編】クレーム対応の手順2『迅速対処』についてみていきましょう。      

1.迅速対処の心得

忘れてはならないのは、お客様は楽しみにして来られているという事実です。ですから、できるだけ速やかに気分を元に戻していただいて、楽しい時間を取り戻して差し上げなければなりません。

 

楽しくない時間が少しでも長引くことは、クレームの原因となった問題が改善されても、クレームが収まらない二次クレームを引き起こしてしまいます。

 

迅速に対処できるようにするためには、判断できる力(または人への連携)と解決方法の共有が求められます。

判断できる力とは、お客様の言われていることの問題点を理解し、今必要な行動が何かを考え付く力です。必要な行動には、適切に対応できる人にすぐに伝えるという行動も含まれます。

 

解決方法については、クレーム事例を公開し、同じことが起きたらどうすべきか対策を立て、それらを組織全体で共有することで、迅速な対処につなげることができます。準備していないことは、どうしても対応が遅れがちになるものです。

他人事と思わず、常に自分だったらどうするか、という気持ちで、クレーム事例を振り返っておきましょう。

 

組織の中でまず誰に伝えなければならないか、まず何を持って行くか、まずどのようなことばを述べるのか・・・最低限の対処方法が理解できているか、確認してみることが大切です。

 

 

 

 

2.取り急ぎすべきことを知っておく

「手順1/初期対応」の最後の項目で触れましたが、取り急ぎすべきことがあるのを知っておきましょう。

飲み物をこぼしてしまった人がパントリーに下がったまま、報告をするために、先輩や責任者がお客様のところから戻ってくるのを待っていたりすることがあります。

驚くことですが、「失敗やクレームが起きたら、必ず報告してから動くようにしてください」と言われていたので、緊急事態にもかかわらず対処せずにいたという話を聞きました。

 

お客様に被害が及んでいる時は、とにかくその対処が先なのです。報告は必ずしなければなりませんが、このような場合はお客様への対処がひと段落してからでもよいのです。

そしてそれを、共通の認識にしておかなければなりません。なぜなら、報告できなかった事情があったのに、「なぜすぐに報告しなかったんだ。」と頭ごなしに言われては、次からはお客様より上司を見て行動するようになってしまうからです。

 

さらに重要なことは、できれば複数で対処することが望ましいのですから、報告というより、応援を要請することも取り急ぎすべきことに挙げられます。

 

 

 

3.解決策を提示し、お客様と相談する

不慣れな人はここから、報告をした先輩や上司に代わってもらうことになるかもしれませんが、解決に向けてどのように進めていくのかを知っておくことは、初期対応の役に立ちます。また、場合によっては、自分が対処しなければならない状況になることもありえますので、しっかりと学んでおいてください。

 

さて、お客様のクレームを受けたら、解決に向けて迅速に行動を起こさなければならないことは、誰もが理解できています。

 

少しでも早く解決しなければと思うあまり、一方的に解決のための考えを伝えてしまいがちですが、注意が必要です。お客様と一緒に最適な方法を考えたいという気持ちが伝わる「話し方」を心がけましょう。

 

「ご相談でございますが・・・」という持ちかけ方は、まさにお客様のお考えをお聞かせいただきたいという気持ちが伝わり、印象のよいものです。

 

「私どもは○○をさせていただいてはどうかと考えておりますが、お客様はいかがお考えでしょうか。」

「AとBとでは、どちらのほうがお客様のご都合によろしいでしょうか」

 

このようにあくまでも提案的に話を進め、合意の上で解決策を実行するようにします。

 

 

 

4.解決策を実行する

対処方法が決まったら、速やかにかつ責任をもって実行します。

 

この対処について責任をもつ人は、先のお客様と合意を得る時に対応した人ですが、解決策の実行に当たっても役割があります。

実際の対処は、担当する部署など専門の人が当たる場合もあります。そこで、お客様への経過報告と、終了した時点では適切に行えたかどうかを自分で確認することが、役割として重要になります。

この確認は、お客様に終了報告をするためのものですから、上手く対処できたか、他部署への依頼事項も処理できたかなどを確認しておく必要があります。

 

その上で、「手順3/組織対応」に移り、お客様にご納得いただけているかどうかを確認することになります。

お客様から、「その後どうなっているんだ」「言ったとおりにできてないじゃないか」と言われるようでは、クレームが拡大してしまいます。お客様の先手を打たなければなりません。

 

 

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