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離職を防ぐ!求められる現場の対応力 第一回

人材の採用と育成

年明けは、新卒入社の準備に取りかかるところも多いと思います。あるいは、あと数名の採用を増やせないかと苦心しているかもしれません。同時に、新卒入社を迎える前の3か月間は、既存スタッフの離職を防ぐために苦慮する時期でもあります。 ご承知のとおり、人材市場の動きが激化している環境で、特に若手社員や中途採用社員から突然示される「びっくり退職」が増加しています。コミュニケーションの強化が重要なことは言うまでもありませんが、掛け声だけでは効果は上がりません。 本コラムでは、職業意識の変化、コミュニケーションスタイルの変化などを理解し、現場リーダーが対処するスキルをどう磨けばよいかについて、また、離職を考えるメンバーにどう対応したらよいかについて8回に渡り、考えたいと思います。

1.離職を防止する、職場リーダーのためのスキル教育

離職の防止は組織として取り組むべきだ、ということは理解されているのですが、必ずしも実現できているとは言えません。また、離職防止策を講じるとしても、職場リーダーがそれを推進することができるかどうかによって、成果に差が出ます。
職場のモチベーションや離職の問題の多くには、コミュニケーションの問題が関わっていると言えますが、コミュニケーションスキルだけで解決はできません。職場と現場リーダー自身のモチベーションを維持し、職場の人間関係によるストレスを減らすためには、様々な知識やスキルが求められます。
離職防止を念頭に置いて職場リーダーのスキルアップを考えるのであれば、検討したい教育として、以下のテーマが挙げられます。現在実施しているもの、今後取り組みたいものを確認してみましょう。

 

1)コミュニケーションスキルの向上
オープンなコミュニケーションを促進し、メンバーが感じる懸念や期待を理解するスキルを強化しましょう。そのために、特に聞く力と質問する力を高めます。

 

2)共感力を伴うリーダーシップスキルの習得
リーダーがメンバーの立場に立ち、感情やニーズを理解することが求められます。適切なサポートを提供するために、共感力を伴ったリーダーシップを発揮できるようにします。

 

3)ストレス管理と心理的安全性の理解
メンバーのストレスを理解し、心理的な安全性を職場に構築するために何が必要かを学んでおきます。

 

4)効果的なフィードバック方法の習得
建設的で具体的なフィードバックを行い、メンバーが成長するための指導を提供できるようにします。

 

5)チームワークが機能する運営方法の理解
チームが協力できるように進め方や分担を工夫し、メンバー同士の連携を促進するための方法を知っておきます。

 

6)変化対応のスキルの習得
社会環境、組織の方向性や体制が変化することを受け止め、柔軟に思考することやメンバーの適応をサポートするスキルを身につけます。

 

7)感情的な知性(EI:エモーショナルインテリジェンス)の向上
自分とメンバーの感情を認識し、理解する。ストレスやプレッシャーに対処できるように、感情を適切にコントロールすることを目指します。

 

8)多様性(ダイバシティ)と包摂性(インクルージョン)の理解
バイヤスや無意識の偏見について学び、異なる価値観や信念を尊重するスキルを向上させます。多様な背景を持ち様々な事情を抱えるメンバーに対する理解を深め、包摂的なリーダーシップを志向します。

 

このような教育を通じて現場リーダーがより効果的なサポートを提供することができるようになれば、メンバーとの信頼関係が構築され、離職防止に繋がります。

 

次回は、次の3つに焦点を当てて、現場リーダーが知っておくとよいこと
を掘り下げてみます。
(1) 信頼関係の構築
(2) ストレスケア
(3) モチベーションの支え方育て方

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