旅館経営の知恵
-リョケン研究員が
お届けする経営のヒント-
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旅館のユニバーサルツーリズムへの対応(第六回)
接客現場のオペレーション
前回に引き続き、事例に基づく対応ポイントについて考えていきます。
事例に基づく対応ポイント
【入浴】
特に温泉旅館であれば、入浴はぜひ体験していただきたいところです。しかし、体の不自由な方にとっては危険を伴うものです。できることから準備しておきましょう。
a)貸し出し品の準備をする
入浴の際に必要な備品はぜひ用意をしていただきたいと思います。以下に入浴をサポートするための貸し出し備品の一例を紹介いたします。
●入浴関連の貸し出し備品の一例
・シャワーチェア ・シャワーキャリー ・滑り止めマット
・移乗台・入浴用手摺り・入浴用スポンジマット・浴槽台
備品の用意ができたら、チェックインの際にリストをお渡しし、ご要望を伺うとよいでしょう。
b)大浴場の入浴時間の配慮をする
大浴場を体験したいけど、他のお客様と同じ時間ではためらってしまうお客様もいらっしゃいます。貸切風呂や客室内温泉風呂などがあれば、そちらをおすすめして楽しんでいただくことができますが、そうでない施設では、なんとか大浴場を体験できないかというご相談もあるようです。
こういったお客様に対し、非公式に、通常の営業時間以外でお風呂にお入りいただく時間を用意する施設もあります。近年では障害のある方だけでなく、LGBTQ+(性的マイノリティ)のお客様からもこういった要望があるようです。もちろんその分、清掃の時間が遅れるといった運営上の問題も出てくるかもしれませんが、少しでもお客様に寄り添う形を見せられるとよいでしょう。
c)入浴介助サービスの提供
入浴は当事者だけでなく、同行している介助者の負担にもなります。
そこで入浴のサポートとして、地域の入浴介助ヘルパーの派遣を手配している施設もあります。プロの入浴介助ヘルパーが指定された時間に訪問し、温泉入浴をサポートするサービスです。
次回、対応についての適切な情報発信について考えていきたいと思います。
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