株式会社リョケン

旅館経営の知恵

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新しい時代に対応した宴会オペレーション(前編)

接客現場のオペレーション

2023年に入って団体宴会が急に増えてきたものの、コロナ禍の3年余りの間に、団体対応をすっかり忘れてしまったり、そもそも団体旅行がなくなってからの入社メンバーばかりになっていたりして、慣れない対応に右往左往している施設が多く見受けられます。 そのような中で、コロナ禍後の新たな検討課題が見えてきました。現有の体制で団体宴会に対応するためには、必ずしも従来通りの運営方法だけでなく、新たな手法を取り入れる必要もあるでしょう。特に、大切なスタッフをサポートするという観点で、仕組みやルールを見直すことが求められています。 ここでは3回にわたり、宴会オペレーションにおけるポイントを取り上げ、運営見直しの考え方をご提案いたします。

宴会時間のコントロール

宴会時間の目安はほとんどが2時間としているケースが多いかと思いますが、スタートの時間は確認しても、お開きの時間は確認しているでしょうか。
以前は宴会を仕切ってくれる添乗員付きの宴会も多かったので、2時間に収めるように進行をサポートしてもらえていたのですが、もはや添乗員付きの宴会も少ないことに加え、3年間のブランクもあり、幹事様も宴会進行の要領を得ない方が増えたりと、2時間を過ぎても終わる気配がない宴会が多くなることになります。これでは対応するスタッフのモチベーションも下がる一方です。
特に、地元のご宴会などを受ける時期になると、スタート時間が遅くなりがちで、終了時間は個人宿泊客の夕食に比べて2時間ほど遅くなる場合も想定されます。
勤務間インターバルの課題も克服しきれていない中で、これではスタッフの不満を助長させてしまいかねません。

 

解決する糸口は、「宴会2時間制の運用」による終了時間のコントロールにあります。
対策の例としては、下記のような取り組みが考えられます。

 

◎予約受付時や見積提示時に、宴会は2時間の設定とさせていただくことのおことわり。
 
◎チェックイン時に、スタート時間と合わせてお開きの時間を確認
 
◎2時間を超える宴会の延長料金の設定
お客様一人あたり30分500円や1000円といった例があります。
 
◎飲み放題の時間設定の短縮または条件見直し
2時間→100分としたり、乾杯から2時間ではなくスタート時間から2時間にするなど。同時に、ラストオーダーは終了30分前としているところもあります。
 
◎お開きの10分ほど前に、係から朝食のご案内を兼ねてお礼のご挨拶
その流れで幹事様が中締めに進行しやすい雰囲気を作ります。
 
◎スタートが遅い宴会の場合への対応といて、宴会対応の最終時間の設定
宴会場の利用を最終9時まで、あるいは9時半までと設定します。1時間半の宴会時間設定も検討してよいでしょう。あわせて、二次会場にスムーズに場所を移していただけるよう、あらかじめ準備・調整しておくことも必要です。

 

宴会が終わっても、その後の片付け、食器の洗浄まで業務は続きます。多くのスタッフの勤務時間を左右する大きな課題と捉え、全社課題として宴会時間のコントロールに取り組む必要があるのではないでしょうか。

 

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