夏休み（７月下旬～８月）の実績についての回答をまとめました。今回調査結果とともに前回調査の「見込み」と前年調査の「実績」とを比較しています。

●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価・総宿泊単価ともに、前回調査時の見込みは若干上回っているものの、「上昇傾向」と回答できた施設は約２割にとどまっています。
地域別では、北陸、中国で「上昇傾向」との回答が５割を超えていますが、その他は２割前後となっています。

●客数傾向
客数傾向は、前回調査で「増加傾向」の見込みが8.0％であったのに対し、19.6％と上回りましたが、「減少傾向」との回答が約５割ありました。前年同時期の実績からは好転しているといえますが、入込の低迷は依然深刻な状況といえます。

●規模別客数傾向
規模別の客数傾向(当館)では、規模の大きい施設で「増加傾向」との回答が多い傾向はありますが、大きな差異はみられず、いずれの規模でも入込状況には大きなばらつきがあるようです。

●コメントから見える全体的な傾向
従来を大きく上回る感染再拡大が夏休み期間に重なる事態となり、非常に厳しいコメントが数多く寄せられました。
前年同時期にはＧｏＴｏトラベルの効果があったのに対し、今年は集客もままならず、単価の上昇も鈍化していることがうかがえます。
緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の発出や都道府県ごとの支援キャンペーンの実施と停止により、業績を左右されているとの回答が多くみられました。

秋（９月～11月）の見込みについての回答をまとめたものが右表です。

●基本宿泊単価・総宿泊単価
基本宿泊単価、総宿泊単価とも「上昇傾向」との回答は14.4％にとどまり、半数を超える施設が「横ばい傾向」と回答しています。
地域別にみると、北陸・中国で「上昇傾向」が約５割あったのに対し、近畿では「下降傾向」が66.7％となっています。

●客数傾向
客数傾向（当館）については「増加傾向」との回答は1.9％とほとんどみられず、約７割の施設が「減少傾向」と回答しています。地域別でも大きな差異はなく、全国的に客数の回復に対して非常に強い不透明感がうかがえます。

●規模別客数傾向
規模別の客数傾向（当館）では、中規模施設で「増加傾向」との回答がわずかにあったのみで、規模別での大きな差異はみられませんでした。

●コメントから見える全体的な傾向
調査期間中も感染拡大が衰えを見せることなく、９月にかけての緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が多くの都道府県に及んでいる影響は非常に大きいことがうかがえます。
ワクチン接種の進行や修旅などの一部団体利用に期待するコメントも見られますが、それ以上に、夏以上に秋の見込みは厳しいとの認識がうかがえました。感染の状況や政府の施策に大きく左右され、先行きの不透明感が非常に強いことが、多くのコメントからみてとれます。