今回改装した「旧：貴粋殿」は、水回りや照明などの設えが「古さ」や老朽化を感じさせるようになり、低料金での販売や客室稼働率の低下が問題になってきていました。
そこで、客室改装による商品力強化を図り、芳泉ブランド全体の底上げとコロナ後の新たな需要を創出すべく、リニューアル工事を行いました。与えられる旅（受動的）から、自分の思いや目的を叶える旅（能動的）へ、自らが時間を過ごすシーンを演出できる場所として、思いのままに利用していただきたいという願いを込め、名称も新たに「離れ ここみち亭」としてオープンしました。
客室改装においては天井や梁、床の間、部屋の造りが部屋ごとに異なる設えであった当時の大工の技を活かしつつ、水回りや設備は最新の機器に変更。和の粋や色にこだわり、１室ごと異なる趣きと材選定を行い、版画造形作家の野田拓真氏の作品を飾りました（一部客室を除く）。30代前後の女性を意識した、優しく柔らかな雰囲気の客室づくりをテーマに仕上げました。

客室カテゴリーは３タイプで、温泉露天風呂付客室(50㎡)１室、デラックスタイプ(70㎡)３室、スタンダードタイプ(40㎡)９室の構成です。すべての客室から日本庭園が望め、ツインベッドと畳リビング、ワークデスクを備え、４Ｋスマートテレビ導入に際しては専用有線ＬＡＮを新たに敷設して視聴ストレスをなくしました。照明や装飾類、タイル、和紙、テーマカラーなど、個性の違う客室づくりを施しました。（10室はシャワールーム仕様）
また、「ここみち亭」宿泊者は大浴場のほか、「ひのき大浴場」（離れ・別邸の宿泊者専用）の利用もできます。