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離職を防ぐ!求められる現場の対応力 第二回
今回から、次の3つに焦点を当てて、現場リーダーが知っておくとよいことを掘り下げてみます。 (1) 信頼関係の構築 (2) ストレスケア (3) モチベーションの支え方育て方
(1) 信頼関係の構築
(1) 信頼関係の構築
職場のリーダーとメンバーが信頼関係を築いていることは、何にも増して重要であり、これには最優先に取り組まねばなりません。ところが、信頼関係は自然に生まれてくるもの、構築には時間がかかるもの、また相手次第なところがある、と考える人も多いようです。しかし、厳しいようですが、そう言って信頼関係を自ら築くことに積極的でないとすれば、そもそもその考え方や態度が問題だと言わざるをえません。
職場の信頼関係は、働きかけ次第で良くなるものです。まず、以下の行動がどの程度行えているか、日々を振り返ってみましょう。
① オープンで透明なコミュニケーションはできているでしょうか。例えば、職場の課題にはどのようなものがあるかを共有し、解決する方法をメンバーと共に考えていますか。組織の状況や方針、お客様の声や評価について積極的に語るように努めていますか。
② アクティブリスニング(積極的傾聴)を心がけていますか。メンバーの意見や懸念に耳を傾け、理解を示す態度で「良い聞き手」になり、相手の立場を尊重し、事情を汲み取りながら、意見や懸念に真摯に向き合えているでしょうか。
③ フィードバックのタイミングや頻度は適切でしょうか。また、建設的なフィードバックを提供し、メンバーが成長できるようサポートするように心がけているでしょうか。具体的で肯定的な表現を大切に伝えていますか。
④ 感情的な知性(EI:エモーショナルインテリジェンス)を意識していますか。自分自身の感情やメンバーの感情を理解し、語られた言葉だけでなく、その言葉と共にある事情や考え方を受け止めていることが伝わっているでしょうか。
⑤ 言動が一致するような、一貫性を保った行動を心がけていますか。また、それがメンバーに伝わっているでしょうか。例えば、ミーティングで「決められた場所に道具を戻しましょう。」と伝えた後で、自分なりの理由をつけて、決められた場所以外の自分の使いやすい場所に置いてしまう、などということはないでしょうか。
⑥ 共感していることが伝わる表現を心がけていますか。メンバーの状況や感情に共感し、自分は理解されていると感じるようなコミュニケーションを心がけていますか。例えば、「昨日は遅くまでありがとう。支配人から聞きました。たいへんな思いをしながら対応してくれたそうですね。」などという会話ができているでしょうか。
⑦ 適切な情報の共有はできていますか。メンバーが理解しやすいように、組織の方針やビジョンについて、かみ砕いた具体的な説明が、適切なタイミングで行われていますか。理解してもらえているかどうか、理解が行動につながっているかどうかについて気にかけていますか。
⑧ チームビルディング(意欲や能力を最大限に発揮するチームづくり)のための活動について、積極的に考えていますか。ミーティングやプロジェクト活動などを通じて、メンバー間の信頼や協力関係が高まっているでしょうか。
⑨ 状況の変化を受け止め、メンバーに落ち着いて変更方針を伝えるなど、自らの柔軟性と適応力で対応していますか。例えば、組織や手順の変更は、職場に戸惑いや困難さを感じさせるものです。そのことを承知して、メンバーの様子に気を配りながら調整を重ねているでしょうか。現場リーダーがこのような行動をスキルとして持つことで、メンバーとの信頼関係を築き、職場の空気を前向きにし、またそれによって生産性を向上させる環境が整います。
次回も引き続き、現場リーダーが知っておくとよいことを掘り下げて考えていきます。
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